段葛の桜道をゆく ― 鶴岡八幡宮に詣でる旅!見どころ・ランチ・カフェスポットも解説
JR・江ノ電の鎌倉駅東口を出ると、目の前に若宮大路が広がる。
海側から一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居と続くこの道の中央には、周りより一段高く盛られた参道「段葛」が約460メートル続き、両脇に植えられた桜が春には花のトンネルをつくる。土産物店や飲食店がひしめく小町通りを抜けても、段葛をまっすぐ歩いても、行き着く先は同じ――鶴岡八幡宮である。
正式名称は鶴岡八幡宮、祭神は応神天皇・神功皇后・比売神。1063年に源頼義が由比郷に八幡神を勧請したのが始まりで、1180年、鎌倉入りを果たした源頼朝がこの地に遷し、鎌倉武士の都の中心に据えた。
以来、鎌倉のみならず関東における武家の守護神として篤く信仰されてきた神社である。境内は広く、木々の匂いと鳩の声、参拝客のざわめきが入り混じる独特の空気に包まれている。
見どころ
段葛と一の鳥居 ― 参道そのものがひとつの景観
若宮大路の一の鳥居は1668年、江戸幕府四代将軍徳川家綱の寄進によるもので、関東大震災で倒壊した後もつなぎ合わせて再建され、現在は重要文化財に指定されている。
そこから続く段葛は、頼朝が妻・政子の安産を祈願して築かせたと伝わる特別な参道で、近年の改修工事によって美しい姿を取り戻した。神社に着く前から、すでに参拝が始まっているような感覚を味わえるのがこの八幡宮ならではの魅力だ。
太鼓橋と源平池 ― 水と緑がつくる境内の表情
段葛を抜けて境内に入るとまず目に飛び込むのが、源平池に架かる石造りの太鼓橋である。池は1182年、頼朝の命で水田を改修してつくられたと伝えられ、東側3島・西側4島に分けられていることから「源平池」と呼ばれるようになったという。
夏には蓮が咲き、春には河津桜やソメイヨシノが水面を彩り、鯉や亀、時にスッポンの姿も見られる。太鼓橋自体は勾配が急なため通行禁止となっており、参拝者は左右の平らな橋を渡る。
大石段と大銀杏 ― 鎌倉幕府の歴史がにじむ場所
本宮へと続く61段の大石段の脇には、樹齢1000年ともいわれた大銀杏があった。
1219年、三代将軍源実朝を暗殺した公暁がこの木の陰に隠れていたという伝説を持つが、2010年3月の強風で倒れてしまった。現在は根元から芽吹いた「ひこばえ」が新たな命をつなぎ、切断された幹は近くに移植されている。歴史の重みと再生の力強さを同時に感じられる一角だ。
本宮(上宮)― 重要文化財の社殿建築
石段を上りきった先にある本宮は、1828年に江戸幕府11代将軍徳川家斉の支援で再建された「流権現造」の社殿で、国の重要文化財に指定されている。
隣接する宝物殿(拝観料大人200円・小人100円)では、国宝・重要文化財を含む八幡宮ゆかりの品々を見ることができる。大石段の途中から振り返れば、由比ヶ浜方面まで見渡せる眺望も楽しみのひとつだ。
御朱印と旗上弁財天社 ― 授与品とパワースポット
源平池に浮かぶ島にある旗上弁財天社は鎌倉江の島七福神のひとつで、頼朝が政子のために奉納したと伝わる「政子石」があり、子宝・良縁のパワースポットとしても親しまれている。御朱印は「鶴岡八幡宮」と「旗上弁財天社」の2種類があり、それぞれ1件300円。巫女が描かれたオリジナルの御朱印帳も授与されている。
アクセス・拝観情報
- 最寄り駅:JR横須賀線・江ノ島電鉄「鎌倉駅」東口より徒歩10〜12分
- 拝観時間:5時〜21時(御朱印・お守り授与は8時30分〜17時)
- 拝観料:境内自由(宝物殿は大人200円、小人100円)
- 御朱印:1件300円(鶴岡八幡宮・旗上弁財天社の2種)
- 専用駐車場:乗用車1時間600円、以後30分ごとに300円(祈祷利用は2時間無料)
- 公式サイト:鶴岡八幡宮
周辺のランチ・カフェ、ウォーキングエリア
ランチ
境内から小町通り・段葛にかけては老舗の飲食店が集まっており、参拝前後の食事にも困らない。
段葛 こ寿々
段葛の桜並木沿いに店を構える人気のそば処。看板メニュー「こ寿々そば」のほか、希少な本わらび粉を使った「わらび餅」も名物で、休日は行列ができることも多い。 公式サイト:https://ggwb400.gorp.jp/
創作和料理 近藤
八幡宮周辺で誕生日や記念日利用にも人気の創作和食店。落ち着いた店内で、旬の食材を生かした会席仕立てのランチが楽しめる。 公式サイト:https://www.kamakura-kondo.com/
カフェ
小町通り周辺には食べ歩きにも休憩にも便利なカフェが点在している。
豊島屋菓寮 八十小路
鳩サブレーで知られる豊島屋が営む甘味処で、小町通りから一本入った静かな一角にある。注文を受けてから練り上げる「本わらび餅」が名物。 公式サイト:https://www.hato.co.jp/shop/hatokoji
café vivement dimanche
鎌倉駅東口から徒歩2分、鎌倉のカフェ文化を牽引してきた老舗。自家焙煎コーヒーと9層仕立ての「プリンパフェ」が人気で、参拝前後にひと息つくのにぴったり。 公式ブログ:https://cvdois.exblog.jp/
ウォーキングエリア
境内を出てからも歩いて楽しめるエリアが広がっている。
段葛(若宮大路)
鎌倉駅と八幡宮を結ぶ桜並木の参道。二の鳥居から三の鳥居まで約460メートル、春は花見客で賑わい、それ以外の季節も鎌倉らしい町並みを楽しみながら歩ける。 公式サイト:https://www.hachimangu.or.jp/
小町通り
八幡宮前から鎌倉駅東口まで続く商店街で、300以上の飲食店・土産物店が軒を連ねる。食べ歩きをしながらのんびり歩くのにおすすめ。 公式サイト:https://kamakura-komachi.com/
周辺の隠れスポット
鶴岡八幡宮から徒歩5〜10分圏内には、小町通りほど混雑しない静かなスポットも残っている。
宝戒寺
正面出入口から道路を左に直進して約3分。鎌倉幕府滅亡の際に自害した北条一族を弔うために創建された天台宗の寺で、秋には「萩の寺」として知られる庭が見頃を迎える。参拝客の多い八幡宮とは対照的に、静かに歩ける穴場だ。 公式サイト:https://hokaiji.com/
頼朝の墓
鎌倉国宝館の脇から住宅街の細い道を進んで約7分。鎌倉幕府を開いた源頼朝を祀るとされる石塔で、すぐそばには頼朝を祀る白旗神社、東側には大江広元の墓もある。観光客の少ない高台にひっそりと佇み、鎌倉時代に思いを馳せられる場所だ。
参照:
